神宮と伊勢湾一周の旅~その5 近鉄に乗って伊勢へ

朝メシ・・・「宮本むなし」があったけど、なんとなく入店しない。ビルの谷間から朝日が差している。本当に雨なんか降るのだろうか。

東海道線のガードを潜って東側へ。近鉄駅の入り口が分らないまま、JR桜通口まで来てしまった。7時31分の急行に乗る予定。時間はまだある。JR名古屋駅構内をウロウロした後、案内表示に従って近鉄名古屋駅へ向かう。
連絡通路に開店したばかりの喫茶店があった。名古屋といえばモーニング。その開店したばかりの喫茶店に入店。モーニングセットを発注。

コーヒーと半切れのトースト、ゆで卵がトレイに乗って出てきた。400円ナリ。特別安くはない。 トーストにはあん&マーガリンが添えられていた。

近鉄名古屋駅に到着。 SUGOCAで入場。地下の頭端式ホーム。電車が到着する度、乗客がどっと流れて来る。田舎者のオトーサンは、都会人の激流をなかなか横断できない。 流れが途切れた瞬間を見計らって2番線ホームへ。
各々停車位置には既に数名の乗客が並んでいる。伊勢市までの乗車時間は1時間40分。出来れば座って行きたいので、列の最後尾に並ぶ。

オトーサンの乗車すべき鳥羽行き急行が入線。目の前をロングシート車が通り過ぎる。ロングシートで1時間40分は辛いなぁと思っていたら、目の前に止まった車両からクロスシートになった。編成の後ろ半分がロングシート、前半分がクロスシートの車両だった。たまたま偶然にギリギリの場所に並んでいたのだ。窓側の席を確保。

鳥羽行き急行は定刻に発車。地上に出ると空はどんより曇っていた。太陽神アマテラスに会いに行くのに、曇り空とは宜しくない。
いや、進行方向左側の席だから、日差しがあったら 朝日がモロに差し込む。他の乗客のことを考えると、日除けを下ろさなければならなかったかも。曇りで良かった。何事も気の持ちようだ。

昨日、上空から見た長良川と揖斐川を渡り、大きく左にカーブして桑名に到着。 車内がだいぶ混雑してきた。四日市で乗客が入れ替わる。

津、松坂と停車して、9時10分、伊勢市駅に到着。伊勢市駅は近鉄とJRの共同駅。JRのホームを通って改札口を出る。 (つづく)
神宮と伊勢湾一周の旅~その4 太閤口の激安ホテル

案内された5階の部屋へ。身体を横に向けないと通れないほど狭い入り口。
笑っちゃうくらい狭い部屋だ。凸凹した部分を全て合算しても3畳に満たないだろう。

部屋の大半はベットが占領している。オトーサンはまだ入ったことはないが、刑務所の独房の方がまだ広いのではなかろうか。エアコンと17インチのテレビ。アメニティは歯ブラシと使い捨てスリッパのみ。ティッシュペーパーもない。

他にスペースはないので、ベッドの上でビールを飲む。
テレビを点けてみる。M社のテレビは、番組表の読み込みが非常に遅い。イライラする。
天気予報 ・・・明日はみごとに雨の予報だ。

退屈しのぎに、さっきのコンビニまで傘を買いに行った。安物ビニール傘が1本500円 (消費税別)もする。アホらしくて買わなかった。傘は雨が降り出したら買うことにする。
地階に降りてシャワーブースでシャワーする。 バスタオルはフロントで部屋番号と引き換え。シャワー室も狭かったが、お湯は十分に出た。
ZZZ・・・
6時前に目が覚めた。空しか見えない窓を開ける。雨は降っていない。

6時半にはホテルを出発。ルームキーを部屋の中に放置して、そのまま出て行ってたらチェックアウトが完了するシステムだ。外はまだ薄暗い。オトーサンはまだやったことはないが、まるで夜逃げしてるみたいだ。(つづく)
神宮と伊勢湾一周の旅~その3 名古屋駅できしめんを食う
金山で名鉄からJRに乗り換え。中央線の普通列車で1駅、名古屋駅に到着。
東京寄りホーム端にある立ち食いきしめん屋へ入店。JR名古屋駅の立ち食いきしめんを食ってみたかったので、わざわざ金山駅で乗り換えたのだ。
券売機で食券を購入。かき揚げ入り500円だったか。同じ値段できしめんとソバが選べる。おばちゃんに食券を渡し「きしめん!」と宣言する。
フライヤーにかき揚げが投入される。大方出来上がっているかき揚げを、注文を受けてから2度揚げするようだ。しばし待つ。
オトーサンの前にきしめんが運ばれて来た。 かつお節がいっぱい乗っかっている。 かつおのいい香りが鼻腔をくすぐる。高まる期待感。七味を振っていただく。かき揚げも出汁も熱々で火傷しそうだ。出汁は関東風かな。香りはいいのだけれど甘みはない。
麺を啜る。あれれ・・・。平たい麺はツルツルで弾力がない。食感があの麺に似ている。不味くはないのだけれど、オトーサンの口には合わなかったかな。
改札を出て、広い名古屋駅構内を歩く。太閤通口に出たかったのだけれど、あおなみ線の連絡通路に出てしまった。逆戻り。どうも最近方向音痴になってきているようだ。自分でも「老い」を感じる。頭は白髪だらけになっちゃったし。
太閤通口に出て地下街への階段を降りる。味噌煮込みの中村屋、矢場とんなど、有名名古屋メシの店が並んでいる。きしめんを食ったので通過。
貧乏なオトーサンは名古屋でも激安ホテルに泊まる。太閤通口から7~8分歩くと目指すホテルがあった。ホテルに入る前にコンビニに寄り道。缶ビールとおにぎりを購入。
名古屋駅西側のこの辺りは、大阪でいうなら西成みたいな所らしい。 今は予備校やアニメ系ショップなどもあって、それほど危険地帯ではないようだ。無事ホテルに到着。(つづく)
神宮と伊勢湾一周の旅~その2 セントレアに到着
JA09JJは鳥栖インターチェンジの上空を通過。左へターン。耳納連山に沿って飛行。
遠くに阿蘇の山々。噴煙を上げているのは中岳だろう。
翼の下に九重連山が見えて来た。まだ雪が残っている。久住、中岳、三俣山、大船・・・坊がつるも見える。窓に顔を押し付けて真下を見ると、玖珠の町並みが見える。豊後森駅の扇形庫も見えた。
由布岳、鶴見岳が見える頃からガスが多くなってきた。 佐賀関の煙突はなんとか見えたが、四国上空に差し掛かると、 地上の風景は霞んでほとんど見えなくなった。 浦戸湾と室戸岬が、かろうじて薄っすらと見えた。
前回、エアアジア・ジャパンでセントレアに飛んだ時は、多気町の上空を通過してセントレアRW36へ進入した。 この進入ルートなら、右側席からは伊勢神宮が見えるはずだ。 今回右側席を取ったのは、上空から伊勢神宮を見てやろうという魂胆もあった。
目を凝らして窓の外を見るが、どうも風景が違う。赤白の煙突と石油タンク群が見えてきた。・・・四日市の上を飛んでいる。南向き着陸、RW18に降りるようだ。残念。
暫くすると2本の並行する河川が見えてきた。揖斐川と長良川だ。揖斐川と長良川を見ながら右にターン。東名高速道路と関西本線、長良川河口堰が見えた。名古屋港の上を通過して、セントレアRW18に着陸。
タクシー中に、今日からセントレアに就航したエアアジアXのA330が、国際線スポットに入ろうとしているのが見えた。消防車が2台待機している。歓迎の放水アーチが行われる予定。
上手くいけば、スカイデッキから放水アーチが見られるかも、と期待していたのだが、残念ながら間に合いそうにない。定刻より少し遅れて北ウイング2番にスポットイン。
動く歩道を4つも乗り継いでターミナルビルに到着。 2番スポットは遠かった。エスカレーターで4階のスカイデッキへ。18番スポットに派手な塗装のA330がいた。放水の名残りで、まだ地面が濡れている。
エアアジアXの他には、キャセイ、エディハド、JAL、チェジュなど。
国内線はANAとジェットスター。小型機ばかりだ。
スカイデッキをゆっくり1周してからターミナルビルへ戻る。ターミナルビル内では、エアアジアX就航記念イベントが行われていた。17時14分発の岐阜行き特急に乗車。(つづく)
神宮と伊勢湾一周の旅~その1 福岡空港を離陸!
伊勢神宮を拝んだ後、伊勢市の隣、鳥羽からフェリーを乗り継いで伊勢湾を横断。伊良湖岬へ渡るフェリーからは、三島由紀夫 「潮騒」 の舞台となった島、神島も望めるらしい。
今回はセントレアから伊勢湾を反時計回りに一周する旅程とした。

貧乏なオトーサンは今回も LCC利用である。 中部国際空港行きジェットスターGK584便は15時発。13時半には福岡空港に到着。

いつものように第2ターミナルの展望デッキに上る。いい天気だ。

目の前にJALの777が止まっている。 眩しくて直視できない。747なんかと比べるとあまり面白味のない飛行機だけど、真っ白な鶴丸777はやっぱりきれい。美しい形をしていると思う。

上海行きのチャイナイースタンが離陸。 最新式の737だけどカラーリングはレトロ風。 去年お世話になった那覇行きSKY505の離陸を見届けてから、第1ターミナルへ移動。

自動チェックイン機で搭乗券を発券。 エスカレーターで2階へ上る。保安検査場を抜けて搭乗待合室でまったり。

出発予定時刻の15分前に搭乗開始の案内があった。後方シートの乗客から搭乗開始。
今回の指定座席は25F。お先に搭乗する。レジはJA09JJ。

25Fに着席。 窓のピッチはぴったり。東行きの便に乗る時は、いつもなら左側の席を取る。右側席は日当りが良すぎて眩しいし、逆光になるので景色も良く見えない。 今回は午後の便だし、敢えて右側席を取ってみた。
定刻にスポットを離れ、そんなに待たされることもなくRW16を離陸した。(つづく)
山陽道防長路をゆく~おまけ 峠のドライブイン

貧乏なオトーサンは帰りも高速には乗らず、国道2号線を地道に帰る。
岩国~周南間、往きは海沿いの国道188号線を通ったが、帰りは素直に国道2号線を走る。

錦川に架かる沈下橋を2つ見学。
沈下橋といえば四万十川が有名だが、他の地域でもけっこう見かける。

錦川から離れて峠を越えると、有名なドライブインがある。
鶏もも焼きと巨大おにぎりが名物。久しぶりに入店してみる。


巨大おにぎりは食い切れないので、食い切れそうな山賊うどんを発注。


敷地内には食事処の他、団子などのみやげ物売り場、民芸品売り場など。
お稲荷さんや観音様までいる。
食事はともかく、話のネタに寄ってみるにはいい所だ。

その後は寄り道をすることもなく、国道2号線を延々と走り、関門トンネルを抜けて九州へ帰った。
山陽道防長路をゆく~その6 錦帯橋と吉香公園
4時半に目が覚めた。
ホテルの自転車を借りて、まだ薄暗い岩国市内を散策する。
とりあえず錦帯橋方面へ向けて走る。
岩国白蛇神社という看板があったので入ってみる。
平成24年に出来た新しい神社だった。
小高い丘の上に白木の立派な社殿。 白蛇観覧所を併設。
もちろん営業時間外で白蛇は見れない。
白蛇は弁財天の使いだそうで、金運関係の御利益があるとか。
境内に小さな天満宮があった。今津天満宮。菅原ちゃんはここにも立ち寄ったらしい。
昨日の雨で増量中の錦川に沿って走る。雨上がりで涼しくて気持ちいい。
錦帯橋が見えてきた。
錦川の対岸にある吉香公園(きっこうこうえん)に行ってみる。
錦帯橋は、自転車は渡れないので、少し上流の普通の橋を渡る。
佐々木小次郎さんの前を通って吉香公園に突入。
広い公園内には噴水広場や武家屋敷、美術館や資料館などがある。
歴代岩国藩主を奉る吉香神社、白山比咩神社 (しらやまひめじんじゃ)などを見学。
加賀国一宮である白山比咩神社の分社が、どうしてここにあるのかは良く分らない。
早朝散歩のおじちゃんが、エンジュの木にアオバズクがいると教えてくれた。
見上げると、なるほどフクロウっぽい鳥がいた。遠すぎて顔は良く見えない。
吉香神社の隣に、軍服を着たおじちゃんの胸像と、その隣に五線譜が刻まれた石碑があった。
何ぞやと近づくと、スピーカーから「天然の美」が鳴りだした。
サーカスやチンドン屋のBGMでお馴染みの、あの物悲しいメロディだ。
軍服のおじちゃんは「天然の美」の作曲者で、岩国藩士の次男としてここで生まれたそうだ。
近づくと音が出るとは知らなかった。早朝からお騒がせして申し訳なかった。
ロープウェー乗り場の前に青いジープが止まっていた。ジプタみたいだ。
車体に 「木炭自動車」 と書かれている。
車体はピカピカできれいだし、ナンバーもしっかりついている。
現役の木炭自動車で、岩国市が運行しているらしい。ガソリンと木炭のハイブリットとか。
岩徳線の西岩国駅をちょっと見学。
ホテルに帰って自転車を返却。 シャワーを浴び、朝ドラを見てからチェックアウト。
広島市内へ向かった。
山陽道防長路をゆく~その5 周防大島
山陽線柳井駅の隣は柳井港(やないみなと)駅。
ここから愛媛県三津浜行きフェリー、祝島行き連絡船などが出ている。
柳井港駅の次が大畠駅。
上空に大島大橋が架かっている。
大島大橋を渡って周防大島(屋代島)に上陸。
橋を渡ってすぐの、飯の山展望台に登ってみる。
1車線の狭い道をズンズン登って行く。
大雨の後で所々道が川になっている。
ズンズン登って頂上に着いた。
雲の中で何~も見えない・・・すぐに下山する。
天気の良い日なら、瀬戸内海の素晴らしい風景が望めるのだろう。
飯の山の麓にある大多満根神社 (おおたまねじんじゃ)へ。
大多満根神社の祭神は、大多麻流別命 (おほたまるわけのみこと)。
古事記の国生み神話で登場する神様。
境内に般若姫を奉る末社があった。
大多満根神社から振り返ると、大島大橋と大島瀬戸の急流が見えた。
周防大島を時計回りに半周する。
国道437号線沿いの幾つかの神社を見学。
この国道437号線は、瀬戸内海を越えて松山まで続いている。
「サザンセトとうわ」という、閑散とした道の駅で休憩。
サザンセトとうわの後ろは瀬戸内海。
雨は上ったが、どんよりと曇っている。
天気が良ければきれいな所なんだろうけど。
道の駅から少し戻って島を縦断、西岸に出る。西海岸を北上。
安下庄(あげのしょう)という比較的大きな集落を通過。
道路沿いには古い商家が多くある。いい感じ。
町の外れの八幡社を見学する。
保育園の横を通り石段を上る。
長尾八幡宮。宇佐から勧請された八幡社のようだ。
真砂土の境内は広くて明るかった。
空はどんどん明るくなって、所々に青空が見える。
大島大橋を渡って本土に戻った。
国道188号線を北上、時々日が差す。
神代(こうじろ)、由宇(ゆう)、通津(つづ)と、面白い地名が続く。
岩国駅前に到着、駅前のビジネスホテルにチェックイン。
ホテルのすぐ近所にフジグランがあった。
フジグランの惣菜類は充実している。
夕食はフジグランのお惣菜にしよう。
買い出しに行く。
和風惣菜セット、にぎり寿司、タコ天、地酒のワンカップも買った。
豪華メニューだ。
シャワーを済まして独り晩餐を開始。
旅先の静かな夜、至極の時間。
天気予報を確認、明日は良い天気になりそうだ。
山陽道防長路をゆく~その4 白壁と柳と井戸
周南市街地をバイパスで一気に通過、下松市に入る。
国道188号線に乗り換え。旧山陽道からは一旦離れる。
光市に入る。光の市街地はあっという間に通過。 室積半島の付け根を横断。
室積から先は海沿いの気持ちの良い道となる。天気が悪いのが残念。
柳井市内に入る。
柳井の地図は準備していない。 記憶を頼りに走る。
白壁ふれあい広場という所になんとかたどり着き、なんとか車を停める。
念のため傘を持って出るが、雨はほぼ上っている。蒸し暑い。
豊後の国、真名野長者の娘、般若姫 (はんにゃひめ)。
用命天皇に召され、海路京へ上る途中に難破。柳井に流れ着いた。
愛用の楊枝(※)を井戸の傍に挿したところ、一夜にして柳の木が生えたので 「柳井」である。
柳井は昭和49年度のNHK朝ドラ 「鳩子の海」の舞台でもある。斉藤こず恵。なつかしい。
※昔の歯ブラシ。柳の木で出来ている。消炎鎮痛など薬用あり。
駐車場から5分ほど歩くと、白壁エリアに着いた。
タイル舗装された路地の両側に、白壁の商家が並んでいる。
軒下には金魚の形をした提灯がぶら下がっている。青森ねぶたをヒントに考案されたそうだ。
なぜ金魚なのかは良く分らない。金魚のくせに、雨に打たれて元気がない。
白壁エリア (伝統的ナンタラカンタラ地区) を散策する。
みやげ物屋、洋品店、酒屋などが並んでいる。
茶色い腰板と白漆喰のコントラストがきれいだ。
「カニ横断注意」の看板がある。
立ち並ぶ商家のすぐ裏手には柳井川が流れている。 カニも上ってくる。
江戸時代初期に干拓されるまでは川ではなく海だったらしい。
柳井川の川岸には所々雁木が残っている。
船で運ばれて来た物資を荷揚げして、店の裏手から搬入できる構造だ。
左に折れて佐川醤油蔵へ行ってみる。 柳井の特産に甘露醤油というのがある。
佐川醤油蔵は甘露醤油を作っている醸造所の1つで、観光客向けに蔵を開放している。
ひんやりと薄暗い蔵の中に入ってみる。
醤油やドレッシング、ふりかけなどの商品が陳列してあるだけで、特に作業などしていない。
というか、誰もいない。
誰もいないから甘露醤油がどんなものかも分からず、味見も出来ない。
甘露醤油は結構なお値段である。買わない。
蔵の入り口にここを訪れた芸能人の写真が並んでいた。
まいうー石ちゃんはいなかった。
白壁エリアはすぐに終わって、柳井駅から続く大通りに突き当たる。
通りを渡って湘江庵 (しょうこあん)という曹洞宗の寺に入る。
この寺の境内に「柳と井戸」がある。般若姫が楊枝を挿した所だ。
屋根で覆われた大きな井戸の傍らに、そんなに大きくない柳の木が1本立っている。
竹垣に囲まれていて井戸の中は覗けない。
井戸の脇に水盤があって、龍の口からちょろちょろと水が出ている。
この水を飲むと長寿と美容に効くらしい。飲むの忘れた。
般若姫と同じ豊後の国、国東の姫島に、同様な楊枝を挿した話がある。
姫島で挿したのは比売語曽姫で、彼女は逆さまに挿したので柳の枝は垂れていない。
野口雨情の歌碑があった。
碑石は汚れているし、説明版の文字は消えかかっている。どんな歌か分らない。
駐車場へ戻る。お馴染みの外国人観光客一団がやって来た。相変わらず煩い。
椿の島
椿で有名な島らしい。今の季節に椿の花はないけど。

連絡船に揺られて25分、白浜港に到着。

漁協の購買部があるだけ。他に商店も飲食店もない。

集落の路地に入ってみる。雨に濡れて紫陽花が咲いていた。

民家の軒下に固まってる。

仕方ないなぁ~って感じで2匹出てきた。雨の中遊んでくれるらしい。

この子はず~っとついて来た。

小さな神社の前を通って・・・

港まで見送りに来てくれた。

ほんの短い滞在だったけど、のんびりできた。いつかまた来よう。

山陽道防長路をゆく~その3 富海宿
短いトンネルを2つ抜け、旧道とバイパス道が合流する辺りが富海(とのみ)の町。
旧国道から見下ろす富海の町は、 弧を描いた砂浜と背後に連なる瓦屋根の集落が印象的。
山陽道の宿場町だ。

江戸時代中~後期に 「飛船」と呼ばれる小型で足の速い商船が、ここ富海で発達。
人や荷物を積んで九州から大阪まで行き来した。
吉田松陰や高杉晋作なども盛んに飛船を利用したらしい。
もう1つ、南沙織 「17歳」の歌詞、「誰もいない海、2人の愛を確かめたくってぇ~」 の
「誰もいない海」とは、この富海の海水浴場のことらしい。
作詞家が防府出身だったそうだ。森高千里はここにやって来たのだろうか。

適当な場所で国道を逸れて富海の集落へ入る。道は狭い。
国道2号線は何度も往復しているが、富海の町中に入るのは初めて。
車1台の細い路地を抜けて国津姫神社(くにつひめじんじゃ)に着いた。
粗いコンクリートの参道に熟した木の実が落ち発酵している。甘酸っぱい。
また雨が降り出した。
楼拝殿造りの社殿。国津姫神社の祭神は宗像三姉妹と神夏磯姫(かむなつそひめ)。
神夏磯姫とは日本書紀の景行記に登場する。
書記をフツーに読めば九州の北部にいたローカル女酋長であるが、
ここでは娑婆 ( さば:現在の防府市一帯) のローカル女神とされている。
そういえば・・・
周防灘を挟んで対岸、福岡県香春岳の麓、夏吉地区にも神夏磯姫を奉る神社があった。

国津姫神社を背に参道を進む。 参道は南西の方角を向いている。
参道の先には小さな港があって、防潮堤の途切れた所に一の鳥居が建っている。
天気が良ければ国東半島なんかが望めるはずだ。

旧山陽道を行ってみる。道の両側に黒瓦の木造民家が続いている。
中国地方には赤瓦の民家が多いが、富海の集落には赤瓦の家は見当たらない。
山間部では赤瓦、海沿いでは黒瓦の集落が多いような気がする。

富海駅は木造駅舎の無人駅。 防府駅のすぐ隣駅なのにローカル度は満点。
駅前から旧山陽道を更に西へ進む。
小さな神社があった。神額がなくて神社名が分らない。

旧山陽道は踏切を渡って急な坂を登る。この坂道は橘坂と名付けられている。
瀬戸内海のすぐ傍まで山が迫って、海と山のわずかな隙間に山陽線が走っている。
旧山陽道は橘坂で山を越え、国道2号線と山陽自動車道はトンネルで山を越える。

坂の頂上は富海の町を見下ろす景勝地になっているようだ。
天気が悪いので今日は行かない。
江戸時代に書かれた菱屋平七の紀行文、「筑紫紀行」には、
「東海道の薩埵峠(さったとうげ)によく似たり」 と記されているそうだ。
無論ここから富士山は見えない。 天気のいい日に再訪したい。

山陽道防長路をゆく~その2 防府天満宮
旧山陽道をちょっとだけ通って、国道2号線に戻り防府市内へ入る。
佐波川を渡って防府天満宮の駐車場に到着。
日本三大天神の1つ、防府天満宮。
大宰府へ落ちる途中、酒垂山(さかたりやま:防府天満宮背後にある山)に登った菅原ちゃん、
「身は筑紫に果てるとも、魂は必ずここに帰ってくる!」と宣言。
菅原ちゃんの亡くなった日、酒垂山に瑞雲が棚引いたので、酒垂山の麓に社殿を建てた。
菅原ちゃんが亡くなった翌年のことで、日本最初の天満宮であるらしい。
石畳の立派な参道を行く。
石段を少し登った左側に、「大専坊跡」と扁額を掲げた門がある。大変立派な薬医門。
防府天満宮神宮寺の9つあった坊のうちの1つ。石田三成も泊まったことがあるとか。
大専坊跡の反対側には園楽坊跡(えんらくぼうあと)がある。
中には暁天楼(ぎょうてんろう)や芳松庵(ほうしょうあん)といった建屋があるそうだ。
暁天楼とは市中にあった旅館「藤村屋」の離れを移築したもの。
高杉晋作や坂本竜馬など幕末の志士たちの密談が行われた場所だとか。
現在の暁天楼は昭和に作られたレプリカ。
芳松庵とは、「茶聖菅公」と呼ばれた菅原ちゃんに因み、平成3年に作られた茶室。
・・・菅原ちゃんと茶道は結びつかない。 茶聖菅公なんて初めて聞いた。
菅原ちゃんは勅命によりお茶を研究。貴族は無論、一般庶民へも広く喫茶の習慣を広めたらしい。
秀吉の大茶会が北野天満宮で行われたのは、菅原ちゃんにあやかってのことだったのか!
まだまだ勉強不足だ。
暁天楼にも芳松庵にも入らない。回廊楼門を潜って拝殿へ。 賽銭を投げてお参りをする。
回廊の東門を出ると目の前に観音堂があった。
本尊は観世音菩薩。 脇侍(きょうじ)に不動尊と毘沙門天。
かつては、天神様に参っても観音様に参らずは・・・と云われていたそうだ。
楼門前に戻って来た。
防府天満宮歴史館には、義経が寄進した甲冑なんかが展示されているらしい。
義経は壇ノ浦から凱旋の途中、ここに立ち寄ったようだ。入館はしない。
野村望東尼(のむらぼうとうに)の歌碑。望東尼は防府で亡くなっている。
他に春風楼など、見所いっぱいであった。
駐車場の脇に 「うめてらす」 という観光案内所があって、おみやげ品なども売っている。
ちょっと冷やかす。ういろうや亀の甲せんべいなどが売られていた。
周防国分寺の前を通り、適当に走って旧国道2号線に出る。
周防国の国府があったから「防府」である。